魔王様日本旅行記2 北海道①

魔王様日本旅行記2 北海道①
第一話 北海道① 勇者の剣が振り下ろされた瞬間、視界が白く弾け、魔王の身体は光の奔流に飲み込まれた。 ――我はここで終わりなのか そう思った次の瞬間には意識が遠のいていった。 落ちていく。どこまでも、底のない闇へ。引きさかれるような感覚と、重力とも違う奇妙な力に引きずられながら、魔王はただ沈んでいった。 やがて、ふっと力が抜ける。顔に光があたる。 まぶしさに目を細めながら、魔王はゆっくりと瞼を開いた。 ――ここは……どこだ? 湿った土の匂いがした。風が頬を撫でる。見渡す限り、緑の葉が揺れている。 規則正しく区切られた細長い区画に、水が張られ、太陽の光を反射してきらきらと輝いていた。そう、田んぼである。
片白玲
片白玲
カントリーマアムと推理小説が好きな田舎者です。 ユーザー名は適当に決めました。