8月の蜃気楼

8月の蜃気楼
第一話 おはよう夏。 あの雲はどうやってできたのだろうかそしてどこに行くのだろうか、 遠い海からやってきたのだろうか。 この街に雨をもたらしそのまま去っていきどこともわからない人のいない場所で消えていくのだろうか。7月とはいえクーラーがなくてはかなり暑い。 垂れる汗。教師の声。 ふと窓を見る。少しだけ空いた窓。窓の向こうには 誰かの夏空がある。その夏への隙間から生ぬるい風が僕の頬を撫でた。夏の匂いがした。 「ーぉぃ、 ーおい、安、聞いてんのか?」 「あ、」
てまきまき
はじめまして