第二話「あの日の夕暮れ」

 五百年前−−。 「お前、何者だ?」  俺は湖で休息をしていたところ、突如水の中から一体の水竜が姿を現した。透明な鱗に、水が太陽の光を反射させて虹色に染め上げている。頭に生えた一本の細長い角は、他の竜ではあまり見かけないものだ。 「貴方こそ、勝手に私の水源で水を飲まないで下さい。はっきり言って、迷惑です」  優しく透き通った声色とは裏腹に、刺々しい言の葉が彼女の口から発せられた。 「お前の水源だと?」 「はい、その通りです」 「……水源があれば喉を潤しに数多の竜がやって来る。まさか、全てそうして追い返しているわけではあるまいな?」
U2
U2
U2と申す物です。前に「U」というペンネームで活動していました。色々あって新たに「U2」として再始動することになりました! というわけで、これからもどうぞ、宜しくお願いします!