第9回N1 反時計回り
時計回りに、世界は動いている。そう言うと、君たちは僕を嘲笑うだろう。でも、少し座って話を聞いてほしい。これは、僕が、実際に経験した話だ。
僕は幼い頃から嫌われ者だった。何かといっては、人とは違う道を選ぶような少年だ、無理もないだろう。かく言う僕自身も、昔は周りに合わせることが正しいと思っていた。それでも、合わせようとしなかった。それが正しいと信じていたから、なんて大層な理由じゃない。その方が、メリットが大きいからだ。僕が成功すれば、それは僕だけの手柄になる。もし失敗しても、誰も関わっていないプロジェクトなら反動は少ない。僕は、そんな少年だったんだ。
ある日の事だった。学校終わり、ぼんやりと友達のカレンのことを考えていると、町でも名の知れた不良の1人が僕達に声をかけてきた。
「おいマイケル、俺らと一緒にデイビッド爺さんの店に、狩りに行こうぜ」
狩りとは、盗みの事だ。僕は、頭を抱えた。デイビッド爺さんが可哀想だからなんかじゃない、誰かと同類、そんな扱いをされるのが嫌だったからだ。僕は特別だ、こんな奴らとは関わらなくたっていいんだと自分に暗示をかける。ふと周りを見ると、クラスは不良達の溜まり場となっていた。
「ねぇ、ニック。こんな奴、うちらの仲間に入れなくても良くない?」
「コイツ、悩んでやがる、頃合いを見て裏切るつもりだぞ」
ふと壁に掛かった時計を見ると、時計の針がゆっくりと、時計回りに時を刻んでいる。そんな光景さえ朧げに見えて、僕は不良達を飛び越えて慌てて外へ駆け出した。
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2026/4/13 9:59
最終編集日時: 2026/4/13 10:01
除草機1号
基本超短編を書きます。ストーリーは何となく決めます。新参者ですがどうかよろしくお願いします。