夜散歩

夜散歩
 夜、十時。外も内も暗く、明るいのはぽつりぽつりと立つ街灯と、空に煌る星と月、そして、デスクライトの黄色い光と、その中で発光する携帯の青白い光だけのようだった。  隼人:俺、今行ける。  ソウ:オッケー。俺も行ける。      じゃ、道路で。  隼人:おう。  送信を押して、パーカーを羽織り、まだ画面の明るいままの携帯と机の上の財布をポケットに突っ込むと、部屋の窓を音のしないように慎重に開けて、屋根に出る。
Tentomushi
Tentomushi
初めまして。Tentomushiと申します。 学生です。よろしく。