月の光

僕が僕であることをどうか許してください。 限りあるいのちを生きていることを。 もっとうまく生きられたらと思う。けれどこのようにしか生きられなかったと思う。 クリスマスの空気にまみれて、真夏の情緒に身を委ね、時間を誤魔化して自分であることを忘れることでしか進んでいくことができなかった。 痛みも悲しみも全ては忘却の彼方へ。しかし、確かに残ってる。思い出の残像に、不感の日常に。 夜、ふいに空を見上げて暗闇で月の光に答えを求める。されど何も応えない。 ただ僕の、自分自身の足元を照らすだけ。 あくまで全てが僕のせいであるかのように。
ねも