12/26『海腹川背』

12/26『海腹川背』
 乾燥機から洗濯物を取り出して畳んでいたら、玄関を開ける音が聞こえた。 「ただいまー」 「お帰りなさい。どうだった?」  その問いに彼の顔が緩んだ。どうやら釣果はあったみたいだ。 「めっちゃめちゃ釣れた。予約した船の船長が有能な人でさ、凄かったのよ!」 「ほぅほぅ」 「見てコレ」  満面の笑みで出してきたスマホの画面には、人間の身体より大きな魚と彼が並んでる写真が表示されている。 「でかっ、すご」 「でしょ? さすがにこれは丸のまま持ち帰るのはムリだったから、現地で色んな人に分けて来ちゃった」
小海音かなた
小海音かなた
ご来訪ありがとうございます。 小海音かなた(コミネ カナタ)は見習い小説家。プロになるために小説を公開したりコンテストへ応募したりしています。 ※当アカウントに掲載されているすべての小説・物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 ※無断転載・複製・複写・インターネット上への掲載(SNS・ネットオークション・フリマアプリ含む)は禁止です。