流木

流木
ある森の木々から一斉に小鳥が飛び立った。 唸るような声が響き、落ち葉や小枝を踏み締める音が聞こえた。 茶色の毛色をした大きな熊が、木々の間を縫うように歩いてきた。 本来なら今頃、冬眠をしているべきであるが、どうやら機会を逃したようだ。 熊はそのまま森を抜け、川辺へと出た。 雪の降るこの日、鮭たちも産卵のために湧水地であるその川へ来ていた。
Aurelian Morse
Aurelian Morse
純文学を基調に、哲学、自然科学、神学、歴史学などの知見を織り込み、童話的な構成によって物語へ昇華する作品を執筆しています。 基本的に直接的な感情表現を極力避け、対象を静かに見つめるような観測的な語りを好みます。 やや古典的な文章と重厚な構成を用いることが多く、物語が進むにつれてそれまでの描写や出来事の意味が徐々に変化していく作品が中心です。 作品は主題によって、四つの文集に分けています。 『星たちの唄』――自然や現象の観測。 (雰囲気:繊細、構造的に美しい) 『孤独に咲く一輪の花』――心理描写。 (雰囲気:読後に重厚な余韻がある) 『大天使』――恋愛、男女、他者との関係。 (雰囲気: 艶やかでやや官能的) 『灰と瑠璃の星』――思想、論理、哲学。 (雰囲気:学術的でかなりドライ) 初めての方には、『星たちの唄』からおすすめしています。