フィクション

 ——小説家は、嘘つきである。  そんなことを誰かが言った。嘘の話を読んで何の意味があるの? それなら現実に目を向ける方がよっぽど生産的じゃない?  確かにそうだ。そうかもしれない。わたし自身、そう思っていた。  そんな時、わたしは一冊の本に出会った。その本に、わたしは自然と呑み込まれていった。主人公とわたしを同一視し、共に喜び、共に悲しんだ。わたしは、小説の中の人物と一体化していた。  物語が進んでいくごとに昂る高揚感、物語が終わりに近づいていくたびに感じる哀愁感、物語が終わったときに感じる郷愁感。それら全てが、余韻となってわたしにのしかかった。
シャイニー
シャイニー
こんにちは。いろんなジャンルを書いていきたいと思います。