読み書きは湯水の如く【essay】

読み書きは湯水の如く【essay】
ことあるごとに不安になる毎日を過ごしてきました。 それは例えば、湯船に浸かったら、そのまま溺れてしまうのではないかとか、小学校では友達ができるかなとか、何か新しい出来事に直面するたびに苛まれていた気がします。 時には不安から、さらに枝分かれするように、新たな不安が生まれることもありました。 小学校で友達ができるのかという不安は、友達ができたことで解決し、その一方で、いじめられるという経験から、これ以上人から嫌われはしないか、という不安に変わりました。これに関しては今もたまに悩まされています。このせいで踏み出せなかった一歩は数えていてはキリがないほどあります。変に挑戦しているところを見て、友達は僕に幻滅しないだろうか、予想だにしなかった失敗によって、他人から嘲笑されないかなど、変化を所望するたびに、小学校の校庭で砂をかけられた記憶が蘇りました。 僕の現在までにおける遍歴の根幹には、他人を気にする不安がありました。小学校低学年から、卒業まで、具体的な解決策も知れずに懊悩していました。 解決策(解決策とはいっても、ただ気を紛らわせてその場しのぎをするだけなのですが)を知ったのは中学に進んでからです。 つまるところ、一冊の本に出会ったのです。 今までも、本を読むことはありました。それこそ小学校高学年の時期には、『シートン動物記』を貪るように読んでいました。ですが、その行為を明確に意識したのは紛れもない中学生の時期なのです。
ot
ot
面白い物を読ませてくれる人が好きです。 noteにもいます。 11.4 ~