こんな僕でも救われたい 一

こんな僕でも救われたい 一
僕は自分が嫌いだ。  僕には長所がない。 周りの人は、絵が上手いとか足が速いとか、頭が良いとか言う。「完璧で凄い」と。確かに、大抵のことはできる。周りよりできる事が多いのかもしれない。だけどそれは、秀でたところがなく、長所がないと言える。  小さい頃みんな憧れる完璧な主人公。なんでもできて、みんなから愛される。 けど、現実はそんなんじゃない。完璧な人にはこれといった誇れることはないし、成功しても自他共に喜びが薄い。 それに、周りの人は避けがちだ。バカな方が可愛いし一緒にいて安心できるから愛されやすい。だからいつも孤独で、本当の自分を見失う。 だから僕は、そんな自分が大っ嫌いなんだ。  それは学校からの帰り道だった。いつも通りのメンバーで、ほぼ同じ道。この日も変わりない日常になるはずだった。
とあ
とあ
はじめまして。叶愛です! 自由に楽しく書けたら良いなと思っています。 ※しばらく浮上しません。 もしお時間あれば、ちょっとだけ読んでみてください!