“卒業式”
卒業式の朝は、少しだけ世界が静かになる。
体育館へ向かう廊下の窓から、春の光が斜めに差し込んでいた。
床に伸びる光の帯を、俺はゆっくり跨いで歩く。
今日で、全部終わる。
三年間通ったこの校舎も、放課後に無意味に残った教室も、屋上の錆びたフェンスも。
全部「思い出」になる。
「……おはよ」
声がして振り向くと、そこにあいつが立っていた。
制服の襟は少し曲がっていて、ネクタイは相変わらず緩い。
髪も寝癖がついたままだ。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/3/13 10:03
叶夢 衣緒。/海月様の猫
綺麗事が救いにならない夜の話。
正しさに置いていかれた感情と、
救われなかった青春の残骸。
優しい言葉ほど、いちばん痛い。
2023年
2月27日start
3月3日初投稿