プロローグ 沈黙の歌

──音楽は、いつも私の隣にあった。 小さい頃から歌うことが好きだった。 歌えば、世界が色づくような気がした。 そして彼女と出会って、その喜びはもっと大きくなった。 「柚葉、一緒に歌おう!」 紗耶の笑顔と透き通るような歌声。 二人で何度も歌い、夢を語り合った。
かなたん