フレイル=サモン〈CⅩⅩⅩⅩⅥ〉

フレイル=サモン〈CⅩⅩⅩⅩⅥ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・特待兵寮塔[自室前]〉  フレイルは「1ー03」と表記されている扉の前に立った。心を落ち着けるために息を吐き、強大な敵に挑むような覚悟で鍵を取り出す。  鍵穴に金色のルームキーを差し込み、慎重に押し回すと…… 「ガチャッ……キィー…」 開錠された扉から蝶番が小さく鳴く。フレイルは息を呑んでドアノブを引いた。  まず第一に入ってきた情報は、一閃の光すら飲み込まれてしまうほど黒い深淵だ。扉の外から射す仄かな蝋燭の明かりでは、奥に広がる無限の暗闇など到底かき消せはしない。  キノコ栽培にはもってこいの暗さだが、あいにく麻痺毒持ちの茸を増殖させるつもりは今はない。  部屋のあちこちに置かれているオイルランタン(後で説明しよう)に火を灯すと、部屋全体の間取りがなんとなく頭に入ってきた。  玄関から続く短い廊下の両側には二つの扉があり、それぞれ左が寝室,右が浴室へと繋がっている。
クリオネ
クリオネ
※注釈※ 時折り過去話に手を加える事があります (大きく変えた場合は報告します) 定期的なご確認をお願いします。 novelee様の不具合か、 長い文章の一部が 途切れている場合があります。