現代侍 最終章 其の30

現代侍 最終章 其の30
十二文字博士の転生実験は、およそ常人には理解の及ばぬ無数の化学式の構築と、無数の学術の上に成り立つ。 それでも、常人がわかる程度まで理屈を落とし込むとすれば、その仕組みは、ざっくりと言えばこうだ。 転生させたい対象の住む世界(いわゆる異世界)と現実世界を粘土のように歪ませ、繋げ、対象の魂が通る隧道(トンネル)を作る。 対象の魂を誘導し、呼び込む。 用意した肉体に宿す。 ……と、“HOW(どうやって)”を無視して説明すれば、こんな理屈になる。 転生を主眼に置いた彼の実験はつまり、副産物として異世界へ至る為の時空の歪みを作ることにも成功していた。 ならばその生まれる時空の歪み、トンネルを、現実世界の人間が通るとどうなるか。 十二文字の仮定では、一度微粒子レベルに分解された肉体は、トンネルを抜けた段階で再構築を開始し、肉体付きの異世界転生を可能にする、はずの計算となる。
P.N.恋スル兎
P.N.恋スル兎
嫌なことは嫌々やれ。 好きなことは好きにやれ。 名前は、兎年から始めたのと、DoDが好きなのと、ポルノグラフィティが好きなのでそこから取ってます。