月夜の泡沫 season1
第一夜 出会った二人 前半
午後十一時を少し過ぎたころ、僕「夜月レン」は、いつものようにアパートのドアを静かに閉めた。
金属が噛み合うような、乾いた鍵の音が「かちり」と鳴る。その音がやけに夜に響いた気がして、反射的に肩をすくめる。
誰かに見られているわけでもない。
それでも、夜に外へ出るときは、無意識に息を潜めてしまう。
足音を殺し気配を薄くして、まるでこの世界から一時的に消えようとするみたいに。
冷たく澄んだ夜の空気が、肺の奥まで流れ込んでくる。
胸の中に溜まっていた熱を、静かに冷ましていった。
「……今日も、いい夜だ。」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/1/11 13:31
最終編集日時: 2026/1/29 0:17
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
『夢屋』
いらっしゃいませ。『夢屋』と申します。
当店では「少しだけ現実を離れて、非現実を味わうお手伝。」をモットーに、小説を書いています。
どうぞごゆっくりお過ごしください♪