水族館の終わり

彼が関係を終わらせたのは、春の終わりだった。 理由は曖昧で、言葉は丁寧で、でも決定的だった。 彼女は追わなかった。涙も見せなかった。 ただ、受け取って、仕舞った。 それなのに、季節がひとつ進んだ頃、彼から連絡が来た。 「元気?」 それだけ。 終わらせた人間の言葉としては、あまりに軽かった。
天野雪
天野雪
創作