寝起きの迷言

ひとつだけ月を拾った。 風が吹いて、背中を押される予感に身を任せると、途端に重力に引っ張られるように身が投げ出されていく。幸いにも残る生存本能が足掻くように月を掴み、引力にこらえようと身をねじった。 「うわっ!」 「…おはよう。」 冷静な声が返ってきて、目が覚めた。夢を見ていたのか。 「もう少し寝ていてくれれば、盛り上がりがさらに盛り上がったというのに。」 少し透明な茶色の混じる黒縁メガネを気だるそうに小指であげて、わざわざこちらを見たというような素振りでそう言った。 「…小説なんてすぐまた読めるじゃないか。」 特に上から目線を変えない友人に目線を合わせるため、布団を肩から下げて起き上がる。
ぽんとりんご
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投稿も内容も不定期です