プロローグ

 枕を変えると眠れない。僕はそんな人だった。  普段使うことのない羽毛の枕は、僕の鼻を曲がらせるには十分な匂いだった。  おかげで、ソファーの上で寝ることになったが、思いのほか心地よい。最近眠れてないということもあり、僕はすぐに夢の世界へと迷い込んだ。  ふと気がつくと、ソファーの上から落ちていた。手探りでスマートフォンを探す。  電源を入れ、光が灯る。液晶に映る文字は、3:19と表していた。 「まだこんな時間か」 二度寝しようと重たい体をソファーに乗せる。 ふと、暗闇で何かが動いた。 「まだ起きてたのかよ」  言葉に反応することなくその影は動き続けた。「あいつも眠るのかな」
あいうえおむらいす