灰空を裂く、星喰いの剣

灰色の空が世界を覆ってから、百年が経っていた。 昼も夜も変わらない鈍い光の下で、人々は「空はこういうものだ」と思い込むことで生き延びていた。だが古い文献には、かつて星が瞬いていた夜空の記録が残っている。星は消えたのではない。喰われたのだ。 王都リーヴァスの外れで育った孤児の少年エルは、理由もなく剣を振る癖があった。誰にも教わっていないのに、身体だけが覚えている動き。夢の中で、彼は星の光を宿した剣を振るい、空を裂いていた。その夢はいつも、世界を覆う巨大な影に飲み込まれて終わる。 ある日、北の監視塔が「消失」する。爆発でも崩落でもない。まるで存在そのものを削り取られたかのように、塔は跡形もなく失われていた。その現場に現れた王国の調査団の中に、一人の女魔術師がいた。名をリュネ。彼女はエルを見るなり、はっきりと言った。 「あなた、生きた星の欠片を持っている」 エルの胸の奥で、何かが熱を持つ。彼自身も知らなかったが、彼の心臓の代わりに鼓動していたのは、かつて星を守っていた存在――星の王の核だった。
ああああ
ああああ