鳴らした音の行く先は 6-6
第六章六話 今できること
山崎さんから連絡をもらった。
施設長が亡くなったこと。それを颯が聞いて、愕然としていたこと。
このことを時雨と湊にも共有した。
正直、どうするべきかわからなかった。
私が何も言えずにいると、二人は話し出してくれた。
「僕は両親が亡くなったとき、僕のせいだと思ったんだよね。それで、苦しくて、自分をずっと攻めてた。それこそ、自傷行為にも手を出したよ。でも、事実は変えられないし、それなら死んでも良いなって…僕はあえて距離を取ったんだけど、結局は誰かのそばが一番安心したな」
「僕は、結構荒れたな。翔はいたけど、ほとんど話さなかったし。それこそ、自分から関係を切るようなことをしちゃったし。だから余計に孤独感はあったかも。でも、自分のせいだからっていうのが大きかったからな。僕も誰かと一緒に喋ったのが大きかったかも」
初めて聞く事実に衝撃を受ける。でも、今はそんな場合ではないのだ。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/6/21 12:11
傘と長靴
自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。
拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。