鳴らした音の行く先は 6-6

鳴らした音の行く先は 6-6
第六章六話 今できること  山崎さんから連絡をもらった。  施設長が亡くなったこと。それを颯が聞いて、愕然としていたこと。  このことを時雨と湊にも共有した。  正直、どうするべきかわからなかった。  私が何も言えずにいると、二人は話し出してくれた。 「僕は両親が亡くなったとき、僕のせいだと思ったんだよね。それで、苦しくて、自分をずっと攻めてた。それこそ、自傷行為にも手を出したよ。でも、事実は変えられないし、それなら死んでも良いなって…僕はあえて距離を取ったんだけど、結局は誰かのそばが一番安心したな」 「僕は、結構荒れたな。翔はいたけど、ほとんど話さなかったし。それこそ、自分から関係を切るようなことをしちゃったし。だから余計に孤独感はあったかも。でも、自分のせいだからっていうのが大きかったからな。僕も誰かと一緒に喋ったのが大きかったかも」  初めて聞く事実に衝撃を受ける。でも、今はそんな場合ではないのだ。
傘と長靴
傘と長靴
 自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。  拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。