第二十三話 『乱戦』

『ブラックマーケット』の行き先を突き止めた俺たちは車で急いで移動していた。 「くそ、電話に出ない」 電話に出ないという携帯のアナウンスが鳴り始め俺は携帯の電源を切った。 一刻も早く状況を伝えようとフィルに電話をかけたが出なかった。 「え?いつもは絶対電話出るのに、なんでこんな時に限って」 隣に座る玲奈は焦っている。 そりゃそうだ。 実際俺も少し焦っている。 「まさか、もう学生寮に着いたのか?」 嫌な予感しかしてこない。
カクテル