月を拾う駅

夜の駅は、いつも少しだけ海の匂いがした。 ホームの端に、細長いベンチがある。 誰も座らない場所。 そこにだけ、小さな光が落ちている。 私はそれを「月」と呼んでいた。 丸くもないし、欠けてもいない。 ただ、手のひらに乗るくらいの淡い光。
れ
散文詩的な