月光に照らされる君は。
※この作品は過去作のリメイク作品です。
それは本当に、短い時間だった。ほんの少しの月光が、僕を変えた。君はきっと、泡沫のように儚い人だったのだろう。君の笑顔はもう、僕の記憶から消えてしまった。なんてむごい話なのだろう。けれど、僕は不思議と悲しいとは思わない。だって確かに君と僕は出会ったのだから………
君は確か、僕がベッドに入る少し前に窓をノックした。何事かと思ったよ。だってブロンドの髪をさらさらと風に落として微笑んでいる少女がいたのだから。初対面のはずだったのに、僕はなんだか昔会ったような、物悲しくて、懐かしくて、そして会いたかったという気持ちに襲われてしまった。
「こんばんは」
君は静かにそう言った。
「何をしていたの?」
大きな水晶の瞳を思い切り細めながら君は尋ねた。
眠ろうとしていた、という言葉を押し込んで、「何も」と無愛想な返事をおくった。なぜそう答えたのか分からない。けれど、僕の心臓の片隅でそう答えて良かった、とつぶやく自分がいた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/5/18 13:08
青柳
青柳です。
2022.9.11 start
表紙イラストはアイビス様の素材、もしくはノーコピーライトガール様のイラストを使用させていただいております。
素敵なアイコン→ノーコピーライトガール様