春の知らせ

春の知らせ
ある日、目が覚めた。 春が来たのか。 窓からあの曲が聞こえる。胸が高鳴るのをかんじる。身を乗り出して春の匂いを深く吸う。もうこちらへ帰ってきているのだ。 急いで窓から丸太のハシゴをくだる。春がきたばかりの草木は薄い緑で覆われている。 最後に見たときよりも雪が溶け、かさが増している川にかかるアーチ状の木の橋の上。春になると帰ってくる大好きなあの姿を捉える。 ハーモ二カを吹く姿は何も変わっていなかった。 君はこちらに気がついて、手を振っている。 僕も走りながら君の名前を叫びながら振り返す。
シカ
シカ
読書が好きな高校生です