蟻とマスカット

蟻とマスカット
私は、恐らくごくごく平凡な幸せ者だと思う。 祖父が持つ農園を継ぎ、そこそこな稼ぎがある。 たくさんの資産があるかと聞かれれば微妙だが、それでも少し贅沢できるくらいには裕福だ。 妻とは小さい時から家が近く、よく遊んでいた。 そして20歳になって晴れてプロポーズをした。 内心ドキドキだったが、彼女は涙を浮かべてOKをしてくれた。 恐らく私も泣きそうな顔をしたいなのだろう。彼女は私の顔を見て少し笑っていた。 結婚してから7年、2人の子供を授かった私は日々仕事に勤しんでいた。
夜鷹
夜鷹
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