お椀 ②

お椀 ②
「旨そうな味噌汁だけど、冷めたものはごめんだなぁ」 「いやいやもうちょっと待て、今に驚くことになるから。立つな、行くな、座れ、頼む」   子供用のお椀だった。プラスチック製。所々塗装の剥げた黄色、可愛らしいうさぎのキャラクターが描かれている。キラキラなお目々はどこを見ているのかわからない、無感情。 聞けば公園の砂場に半身埋まっていたところを厭に惹かれて拾ってきたそうだ。「昭和の食卓に並んでいそうな古さにときめいた」両手の中にすっぽりお椀を抱きながら奴は言った。   「かれこれ三夜ほど夕飯を共に過ごしている。このお椀に何かを入れておくと目の前で勝手に減っていくんだ。徐々に減るわけじゃなくて、ある時は少しずつ、ある時はみるみるうちに、かと思ったらまた少しずつ…、まるで誰かが本当に汁を口に流し込んでいるように不規則に減っていくんだ」   目の前に置かれたお椀、中の味噌汁は湯気を立たせることをとっくに諦めている。もうこれは減らないなと思った。いや、正確には“いらない”のだ。
人肉は鼬に食わるる
人肉は鼬に食わるる
ぐゅャ→人肉は鼬に食わるる 久しぶりに書こうと思い、今のお名前に変えさせていただきました 怪異を生み出すは人間の意識 だから私にも生み出せるという理屈 Xも同名で呟いております X【@niratorisan】ではハンドメイドアクセサリーを作ったり販売したりしています(現在は諸事情により委託販売先様でお世話になっております) そちらももしよろしければ… 唯一の精一杯の陽な私なので