ダイヤモンドに見えたガラス細工

子供の頃にダイヤモンドを装ったガラス細工を買ってもらった。買った時はそれが本当にダイヤモンドだと思ってた。綺麗だった。 透き通る光が僕の期待に応えてくれるみたいに輝きを放っていた。 すり減った傷に気がついた時にそれがガラスだと知った。がっかりした。 本当に本物だと信じてたから。それからは、箱にしまって眺めなくなった。 あれからいくつもの時間が経つ 僕はガラスに映る自分から目を背けるようになった。本物がなんなのかはわからなくなるばかり。 けれど、あの時見たダイヤの輝きは本物だったと思う。
ねも