君を作った俺、俺を殺したい君

君を作った俺、俺を殺したい君
  第一章 殺人契約   「今日はみんなに大事な話がある」 憂鬱な月曜日。事件というものは、大抵なんでもないそんな日に起こる。チャイムが鳴ってロングホームルームが始まるのほとんど同時に、担任の上薗俊平はだるそうに言った。何かめんどくさいことでもあるのだろうか。俺のその予想は的中してしまった。上薗が教師らしくしている日は、ろくなことがない。 「入ってきなさい」  戸が開く。みんなの注目が一点に集まっていることがわかる。凛とした雰囲気の女が、俺たちの前に現れた。いかにも金持ちそうなお嬢様に見える。教室はうるさくなった。上薗は「静かに」と俺らを一喝すると、女の方を見て頷いた。それを見た女の口が開いた。
K.l
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大学一年です