コード:ジニア 第四十三話「夕空の中で」

コード:ジニア 第四十三話「夕空の中で」
「アビリティステージ2……解放!」  僕はあの屋敷で行ったように、全細胞の活性度を上昇させ、竜のDNAをより色濃く体現させる。  背中には翼、尾骶骨からは青く太い尾が顕現する。  僕が彼女を助けに行こうと翼を広げて飛行を試みたその時、既に彼女は背中に翼、足には黒い鉤爪を宿していた。翼を縮めて空気抵抗を軽減し、一気に下へと直滑降している。 「まさか……克服したのか?」  彼女の制限付きの亜人化は、|F9《エフナイン》の大量投与によるものだと推測される。通常の簡易亜人化手術よりも多くの|F9《エフナイン》を投与することで、DNAの緩和剤が増え、より強靭な亜人態になることが可能になるのだ。当初の僕は、彼女が体がまだ亜人態に慣れていない為、本能的機構によって時間制限が設けられていたと推察していた。しかし、アルジオさんが持ち出した軍の資料、そして、僕の|AKSMU《アクスム》時代をもう一度丁寧に辿ったことで、F9大量投与の副作用として大きく二つのことが挙げられたのだ。  一つは、人間態の際は年相応の身体能力となること。これはF9を投与する過程を踏む施術であれば、どの場合でも現れるデメリットだ。実際、僕も亜人態とそうでない時では、身体能力に明確な違いがある。僕の場合は軍の訓練により鍛えられている為、それほどの大差はないが、彼女の場合はその足枷がより色濃く表れる。  本来ならば、彼女は片方の手で相棒の鎌を駆使し、落下を軽減させることができるはずなのだ。それをしないのは、十四歳という年齢の平均的な身体能力では、片腕で少女を抱えながら武器を扱うことが困難だと、本人が理解しているからだ。  そして二つ目の副作用。これが先程も挙げた、亜人化に制限があることだ。これにより、一つ目のデメリットがより強く感じられることだろう。  しかし今、彼女はその二つ目のデメリットを克服したのだ。
白崎ライカ
白崎ライカ
アニメとかファンタジーが好きで、とうとう小説に手を出してしまいました。 自分の好きな時に書いてるので、 不定期投稿です。 すごい今更ですが、誤字癖があります。どうか温かい目で見て下さると作者は喜びます! さらにさらに今更々ですが、 使用しているイラストは画像生成AIで作成したものです! よろしくお願いします〜