12/31『108の鐘の音とコタツを彼女と』
近所のお寺で鐘を突く音が聞こえる。最初のうちは二人で数えてたけど、二十を超えたあたりから眠くなってきて、やめた。
「羊じゃないのに眠くなるんだ……」
彼女がコタツの天板に顔を乗せて言った。
「単調な作業が眠さを誘導するんでしょ。あと、やっぱコタツって眠くなる」
「んー。なんかやることあったっけぇ」
「ないよ。全部昼間のうちに終わらせたもん」
「だよねぇ。洗濯も掃除もして、年越しそば食べて、明日のおせちもできてて……完璧すぎない?」
「すぎるすぎる。俺にはもったいない奥さんだよ」
「ありがとう。お互いさまだよ」
普段から同じようなことを言い合ってるから、褒めるのが普通になってしまっている。
0
閲覧数: 8
文字数: 1260
カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/12/31 11:00
小海音かなた
ご来訪ありがとうございます。
小海音かなた(コミネ カナタ)は見習い小説家。プロになるために小説を公開したりコンテストへ応募したりしています。
※当アカウントに掲載されているすべての小説・物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※無断転載・複製・複写・インターネット上への掲載(SNS・ネットオークション・フリマアプリ含む)は禁止です。