私の疲れを癒すのは
し ん ど い !
心がずんと重くて、体が芯から凝り固まっているのを感じる。疲れている…。朝は5時に起きて、夕方まで。そこからまた夜も寝るギリギリまで今日の残りや次の日の分までの仕事に追われる。毎日がぼーっとしてるとすぐに終わってまた歳をとっちゃう。ジャネーの法則に乗っ取られる前に、私は新しい事を始めたい。けど、それをする元気が出ない。そこでとあるお店に出向くことにしたのだ。
〜
濃厚な味にどろりとした甘さ。そのあとからやってくる苦みが舌を絡めて、その香りは鼻腔までくすぐる。満足するまで堪能したら、もう一方を口にする。柔らかな甘味が滑らかに溶ける。回を重ねるごとに濃くなる風味が脳さえも痺れさせる気がする。
「はぁーー。糖分が足りてなかった!!」
無論、これは私のビターチョコレエトとホワイトチョコレエトの感想である。気落ちしたような気分をガラリと変えてくれる私の中で魔法の食べ物だ。そんな素晴らしいものを作っているのはご近所さんなのだ。家の近くに個人経営のチョコレエト専門店がひっそりとあるのをこの頃発見した。週に一回、そこに行くのをご褒美にしている。脳内でオーナーの声が甦る。
「いらっしゃい、赤木さん。」
趣がいい店内の装飾、穏やかなBGM。バニラの匂いと木造建築の木の匂いが全身を和らげる。オーナーはすっきりとした紳士を思わせる立ち居振る舞いで接客してくれる。そんなことを思い出しながら、お気に入りの小説の新刊を読みながら、アイスコーヒーを飲んだ。私の疲れを癒すのは……これしかないっ!
〜
0
閲覧数: 31
文字数: 4478
カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/8/10 2:49
倚吏
倚吏(より)です よろしくお願いします
受験期を無事終えてゆっくり執筆を再開中。