ヴァイオレットとしおり

「お嬢様!ローゼン家として、そのお振る舞いはいかがかと」 昔、家庭教師に叱られた言葉が胸に去来する。 それは私が十歳の頃、メイドたちと鬼ごっこをしていた時の記憶だった。 ――公爵令嬢として、奔放でいることは許されない。 「ヴァイオレット。お前の婚約者ルシアンが、我が国最年少で公爵位を賜った。 お前は嫁ぎ先に恥じぬ女性にならねばならぬ。付き合う相手もよくよく考えて交流しなさい」 まだ会ったこともない婚約者の存在を告げられたあの日。
佐伯すみれ
初めまして。拙い作家ですがよろしくお願い致します。他にもNola、小説家になろうでも活動しています。