一巻

一巻
「また言えなかった…」 教室の端っこで2月の冷たい風に吹かれながらため息をつく。今日は絶対にあの子におはようって言おうと思っていたのに…。小学一年生のときから8年間ずっと好きだった宏太くん。成績もよくて、かっこよくて、優しい。小さい頃からモテモテで、私の周りは敵だらけだった。 「なに暗い顔してんのー!」 急に耳に入った声の方へ向くと、目の前に人影が走り込んできた。親友の明希だ。女子バスケ部のエース。元気で明るい一軍女子。陰キャで暗い私のそばにいてくれた唯一無二の友達。 「どしたよ?」 「挨拶できなかった…宏太くんに」 以前から彼女には相談に乗ってもらっていた。 「それくらいでくよくよしない!次が大事!頑張れっ!」 励ましの喝を入れてもらったところで先生が教室に入ってきた。 〜掃除中〜
かりかりよぉ
かりかりよぉ
かりかりです。猪であり、変態です