2人の夏の花火
夏祭りの夜。いつもじゃ着ない浴衣を着て神社の鳥居の前に1人景色を眺める。目の前を見ていると、沢山の光で照らされた屋台が次々に並んでいる。私は暗闇の中に1人。携帯を鞄から取り出しラインを開く。一人の通話履歴を眺める。一番最新のところに『ごめん、別れよう。』とおとといの日付がついたメッセージを眺める。君の為に買った浴衣も君に見せれずに終わってしまった。ごめんね浴衣。心の中でづきづきした気持ちが心に残ってしまった。せめて、この浴衣を着てあげたいと感じてしまい此処まできてしまった。鳥居の前に10分。待ってもきてくれない彼を待ち続けてしまう自分がいた。待ったらきてくれるかもしれない。このデートで終わるかもしれない。そう心の底で期待してしまっていた。
「お待たせ」
声に釣られて前を向く。声が聞こえた時点で彼ではない事は分かっていたが、体が瞬時に動いてしまった。声の正体はクラスメイトの前田君だった。学校じゃあ見かけない彼を私服は、いつもと違い少し派手なTシャツを着ていた。彼の手元を見ると、一個のコーラの入ったペットボトルを持っていた。
「はいっ、どうぞ」
「あっ、ありがとう。」
そういえば喉が乾いていたな。私は、コーラを飲んだ。炭酸が口の中で弾ける。
「ねぇ、今から一緒に屋台回らない。」
「えっ」
「その素敵な浴衣姿にうっとりしてしまって。」
私はこくりと頷いた。彼は手をぎゅっと握った。心臓がバクバクと高鳴りを上げた。私は咄嗟に手を離してしまった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/8/26 7:35
如月 織兎
ただの本オタクの学生です。色々なジャンルを書きたいと思っています。読んでくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。