夕暮れと飲み物と推しと私 その2 魔法使いの嫁

『魔法使いの嫁/ヤマザキコレ』  この作品と出会ったのは、大学2年生ごろだっただろうか。時期はあいまいだが、大学生であったことだけは確かだ。  大学生の頃に、私は心を壊したので、大学生時代をあまり回顧したくない、というのが正直なところだ。でも、楽しかった思い出もある。  友達と朝まで歌ったカラオケ。サークルの学祭の打ち上げで焼肉店で食事をしたこと。その学祭のために、ボロボロの合宿所でゲラゲラ笑いながら作業したこと。家で1人、好き勝手に料理を楽しんだこと。どれも大切な思い出だ。  『魔法使いの嫁』は、今まで辛いことが多かった少女が、人外の魔法使いと出会い、世界の美しさに気づいていく物語だ。色々な人間や人外の存在との出会い。それが、少女の心を開いていく。描かれる世界は、美しくて、時に残酷でやり切れない。それでも、優しくて読んでいて心地が良い。  過去の辛い出来事も、これから「良かった」なんて言えなくても、「そんなこともあったな」ぐらいでマイペースで暮らしていけますように。  私は、そんな希望を持ってこの物語を読んでいるのかもしれない。  この物語には、温もりのある夕暮れと飲み物がよく似合う。あなたも、この美しい物語を好きな飲み物を飲みながら、ゆったりと楽しんでほしい。
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。