キッチン
空気は凛としていて澄んでいる。
窓を開けると斜めごしに朝日が差し込んできた。「コーヒー飲む?」春美は隆に尋ねた。
「うん」と隆は短く答えた。
引き立ての豆の香ばしい匂いがとても心地よい。とりわけ何が足りないというわけではないが、この部屋には会話がない。
ペットボトルに水滴が残ったようにポツリポツリとだ。
春美はとても料理が上手い。隆も他人には言えないが春美は自慢の妻だ。
言葉数は少ないまでも今どきにない古風なところが好きだ。
春美は時々考える。隆は私のどこが好きで結婚したのだろう?
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/2/4 6:04
テディベア
詩を長年書いてます。詩では銀色夏生さん。小説では江國香織さんが好きです。あまり固苦しくなく、気軽に読めるものが好きです。