主人公と部室

教室に入るといつも見ている見慣れない景色がそこにはあった。ここに来るまでに通ってきた他の教室と外装は何ら変わりないのに、ただ室内に入ると私の中の教室という概念とあまりに乖離しているためとても混乱する。教室を囲むように積み重ねられた机の山はビルの骨組みのように轟々とそびえ立ち、不動の重圧感を放っている。そしてその中心にある4つ並べられた机とその一つを占拠し、何やら難しい顔で本を読んでいる先輩。部室というよりは秘密基地と言った方が正しいだろう。ただまあワクワクはしない。当然だ、部室よりは秘密基地っぽく見えるというだけでこれが秘密基地だよ、と言われればそれはそれで顔を顰めたくなる。まさに殺風景、何にも無いが故の殺風景ではなく、文字通り景色が死んでいるから殺風景なのだ。もし今目の前に写る景色を名のある画家が1枚の油絵にしても、評論家はその絵に価値を見出すことができないだろう。0に何を掛けても0ということだ。 「……」 先輩と目があった。うーん、ちょっと喋りすぎたかなぁ。 これは先輩の、日比谷あおいの物語。あんまりでしゃばりすぎるのは良くないだろう。 「おはようございます。」  今日は先輩でどう遊ぼうか、そんなことを考えながら私はニッコリとわざとらしい笑顔で挨拶をした。
アマガミ
アマガミ
笑顔は正義 ということでクスッと笑えッてもらえる楽しいお話を書きたいです 高校生です。どうぞよろしくお願いします