月の影②

忍びが地面に降りた後も、娘は逃げなかった。 ただ、微笑んでそこに立っている。 月明かりがその横顔を照らし、影が足元に落ちる。 忍びは一歩、距離を詰めた。 「……おぬし、驚かぬのか」 少しの威嚇のつもりで低く落とした声。
ねこわさび
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気まぐれ投稿。