濁と純

濁と純
付き合って2年の彼氏がいる。ただ、2年も付き合っているからこそ、お互い見えて来るところもあった。ただ、最近の彼は、私に見せる笑顔がなくなってきた。表だけ笑って裏では笑っていない、そんな笑顔だった。 不安に思って、彼氏のスマホを見た。 本当に、彼氏のスマホを見ることはいけない行為だったと思う。だけど、それより不安の方が強かった。彼氏のスマホを見て私は驚いた。 後日、彼氏に今日行きたいところがあると言われて、誘われた。 着いた場所は、カップルで人気の展望台だった。 展望台に着いた頃には、彼と私に会話が無かった。 沈黙の中、私は綺麗夜景を見た。少しだけ彼の顔を見ると、彼と目が合った。 彼の顔には、不安が混じった笑顔を向けてくれた。 そして、何かを決意したように彼は「あのさ、話がある。」そう言った。 何かを言われるのかはどことなく分かっていた。