君のいない部屋、僕のチャーハン
3年付き合った彼女が、家を出て行った。
結婚するものだと思っていた。だから去年、同棲を始めた。
2人で決めたテレビ、2人で決めたソファ、2人で決めた冷蔵庫、2人で決めたベッド。カーテンだけはこれが良いって君が言ったんだっけ。
思い出ばかりが残されて、肝心の君はどこにもいない。
君の残した家具や物で囲まれているはずなのに、空っぽの部屋にいるような気がして、胸がぎゅっと痛くなる。
ご飯の担当はいつも君。土曜日だけ僕。
僕はチャーハンしか作れないから、土曜日の夜はいつもそれだった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2021/9/30 15:42
夏木 蒼
短編小説しか書かない人です
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