あの頃のように
茂が休日出勤に疲れて帰ると、妻であるリカが悩ましい顔でキッチンに立っていた。
「どうした、難しい顔して」そう言うと、茂は手に持っていた背広を椅子の背もたれにかけた。
「別にどうもしてないわよ?」リカの眉間からシワが消え、いつもの笑顔に戻った。
「どうもしてないのか」
「ええ、どうもしてないわ」
「そうか、どうもしてないんだな」
「どうもしてないわよ」
茂はリカを五秒ほど見つめると、背広を手に取り寝室に向かった。
「今日の夜はなんだい?」薄暗い寝室の奥から、茂の声がする。
「今日はねぇ、なんだと思う?」リカはわざとらしく甘ったるい声で言った。
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2021/11/6 13:41
中野水
昨日、近所を歩いていると「お前、中野だよな?」そんな風に声をかけられた。なのでその晩、カツ丼を食し、空のどんぶりを外へ置いてみた。翌朝見てみると、どんぶりと蓋の間に挟まったマサシが「侍!侍!」そう連呼している。だって僕はコーラが好きなのに。
はあ?
よろしくお願いします。