フレイル=サモン〈CLⅥ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・国軍運用地「護衛隊訓練場」〉
訓練場はいつになくざわついていた。怒声や嗚咽,打撃音だけが虚しく響いていたそこは、今や一種のアリーナと化している。
広々とした床には翠色の畳が一面に敷かれており、冷たい風と共に時折り井草が香った。壁際で疲労に屈している護衛隊員らは、殆どが今から行われる“訓練”の方を向いている。
素足で畳の中央まで歩き、フレイルとグラストは向かい合わせに立った。睨み合う両者の手中には、勝敗を分かつ竹刀がそれぞれ握られている。
視界の端には物珍しそうに面を並べるギャラリーの他、フレイルからウエストポーチを預かっているアンの姿も見られた。
訓練の参戦を易々と了承しただけあって、彼女の顔に心配という二文字は無かった。
「はあぁ…」
既に胃がきりきりと痛い。やはり無理にでも辞退するべきだっただろうか。
グラストは竹刀を腰に帯刀し、訓練についてを詳述した。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/4/14 14:21
最終編集日時: 2025/4/14 22:17
クリオネ
来年度まで活動休止中〜♪
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
定期的なご確認をお願いします。
novelee様の不具合か、
長い文章の一部が
途切れている場合があります。