無ジョウを生きる
少年は喚き泣いていた。
大切にしていたトラックのおもちゃが壊れてしまったからだ。
見れば、床一面にトラックの部品が散らばっており、タイヤは部屋の奥へ転がっている。
少年は荷台部分だったプラスチックの破片を、さも大事そうに握っていて離さなかった。
“また、デパートで新しいのを買おうな。”
父親はそう少年を慰めるのだが、頭を乱暴に振って言うことを聞かない素振りをする。
まるで、“もう欲しくない”と訴えるように。
それから少年は、持っていたおもちゃに全く手をつけなくなったという−−−。
少年がおもちゃで遊ばなくなって数週間が経った頃、それは日常生活に影響を及ぼしつつあった。
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2023/8/17 15:46
最終編集日時: 2023/8/21 17:44
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
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