秘密の共有

秘密の共有
 秘密だよ。  君が僕にそう言った。  照明を落とした薄暗い部屋の中で、  君は僕に秘密を明かしてくれた。  二人きりの閉じた世界の中で、  君だけが僕の全てだった。  * * *  教室はいつも騒がしい。その騒ぎの中に僕もいた。  今日も仲の良い友達と、今日の授業はなんだ、あの授業は眠くなる、なんて話を飽きもせず繰り返していた。だけどその日は少し飽きが来ていたのかもしれない。友達の一人が、隅の席で一人で本を読む生徒に目をつけた。全寮制の一貫校のこの学校で、途中から転校してくる生徒は目立つ。多分親がよほど金持ちなのは確かだ。
しろくま
しろくま
はじめまして。はじめまして。