襲う
「突然の寒さに見舞われて_」
天気予報では、北海道の大雪を中継していた。寒波に襲われただの、なんだの。
「北海道のこの時期は雪が降るのが当たり前だ。この女は何を言っている」
リモコンの軋む音と共に、テレビが変わった。
「あー、寒い。爺ちゃん、暖かくしねぇと死んじまうよ」
いい歳した孫は、言うなりストーブをつけた。ピーとなって、ゴーと熱気が出る。乾燥した灯油の匂いに顔をしかめて孫を見やる。
「爺ちゃんは、俺がここにいること、邪魔だと思うか?」
気まずそうに目を逸らして、ヘラりと笑って言う。
「お前はここにいたらいい。大事な家族を失うのは、もう嫌だからな」
息子達がいなくなって、十年程経つ。愛した我が子の残したこいつだけは、襲われてたまるか。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/12/16 9:38
三秋 うらら