この世とのいとまごい

この世とのいとまごい
夜更け、私は目が覚めた。 扉越しに、祖母の部屋から声のトーンが異様に低い母の声が聞こえる。 それは信じ難い、いや信じたくない事実だった。 母「私はお母さんに今言わなければいけないことがあります。」 祖母は母が今から話す内容を、全て悟っているかのようなため息をした。 沈黙が続いた。隣の部屋にまで押し寄せる緊張感で、唾を飲み込むのも精一杯な程だった。
名無し
名無し