現代侍 最終章 其の28

現代侍 最終章 其の28
そして時は、“現代(いま)”に戻る。 逢刻高校の年季の入った板張りの道場には、現代には似つかわしくない、まるで時代錯誤な光景が広がる。 道着を着た少年と、ジャージ姿の少女。 制服姿の少年に、壮年の男。 その光景を時代劇よろしくアンチ令和たらしめているのは、それらの者たちではなく。 道場の中央で制圧劇を繰り広げる、血と刀の時代を生きた二人の伝説の侍である。 天城才一郎の言う策が、プロセスは違えど、結果的に功を奏したと言うべきなのだろう。 もはやあれは、“策”と言うより、“賭け”みたいなものだと、才賀は聞いて思ったが。 『奴がこの街まで辿り着いているということは、お前らに到達するのも時間の問題だ。寧ろ、もう既にお前の知り合いくらいには辿り着いている可能性もある。多少暴れても問題ない広い空間で奴を待つんだ。そこに俺が万全の警備を張る』 目の前に拡がる光景を見て、才賀は“策(ギャンブル)”の内容を、思い出す。
P.N.恋スル兎
P.N.恋スル兎
嫌なことは嫌々やれ。 好きなことは好きにやれ。 名前は、兎年から始めたのと、DoDが好きなのと、ポルノグラフィティが好きなのでそこから取ってます。