森の小さなレストラン
今日も森の奥から音楽が聞こえてきます。誰かを待っている様に。招いているように。
ある農民の坊やが森へ散歩へ出かけました。右を見ても左を見ても林が続き、太陽が道を照らしています。坊やは家を出る時にお母さんから貰った飴玉を食べようとポケットに手を入れました。ポケットから飴玉を取り出して食べようとした時、ドングリが一つ落ちました。自分のポケットからで出てきたものでした。坊やはいつ拾ったのか覚えていません。
「あのドングリ。いつ拾ったっけな。。。全然思い出せない。。。んー。。。この前友達と遊んだ時かな。。。」
そんな事を考えながら、転がっていったドングリを追うように森を進みました。太陽はさんさんと坊やを照らし、九月の森はこんなにも暑いものなんだなと、ドングリの事などとっくに忘れかけたその時でした。目の前に現れたのは赤いトタンの古民家でした。古民家の上の方を見ると、『森の小さなレストラン』と書かれていました。坊やは、昔お父さんから聞いた話を思い出しました。
「この森の奥にはな。見たこともない幻のレストランがあると聞いたことがあるぞ。出てくるもの全てが美味しくて、それはそれは絶品だそうだ。」
「お父さんの言ってた幻のレストランってここかな。」
坊やは古民家の窓からレストランの様子を見てみることにしました。
レストランの中はくまやきつね。さる。イタチなどの森の動物がいました。お店の中はがらんどう。お昼時だというのに、予約席もなく空席ばかりで人は居ませんでした。中の様子を見ていると、小鳥のウェイトレスが飛んできました。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/12/4 8:16
耀
バンドマンです。シンガーソングライターを5年程していました。
今は、バンドマンと作詞家、作家をメインに活動しています。