エマとニコ〜第四十四章〜

エマとニコ〜第四十四章〜
 ニコは慌てて家に帰りました。一人乗りの魔法の絨毯を超特急で飛ばしたので、途中で街灯にぶつかりそうになったりしながら、アパートのベランダにたどり着いて中に入ります。窓は開けっ放しで部屋の中には衣服を切り裂かれた親友が二人倒れていました。 「クソッ…!間に合わなかったのか…」 「その声は…ニコ君?拘束魔法が掛けられてるから…ペニーちゃんを先に解除してあげて…」  ペニーの方が酷い状況になっていて、ニコは目を閉じてペニーの方に手をかざすと、拘束魔法を解除します。 「服を着替えないと…家に帰れない…」 「その前に…シャワーを浴びておいでよ?タオルは…バスケットの中にあるのを使って良いから」  ペニーがシャワールームに入ったのを見送ってから、今度はルカの拘束魔法を解除します。 「ごめんね…。僕、見てるだけでペニーちゃんを助けられなかった…」 「拘束魔法は…簡単には解除できないから…仕方ないよ。ルカ先輩は何も悪くない…。悪いのは犯人だから…」 「僕も服がボロボロだから…合鍵を渡すので着替えを…アパートから取って来てくれない?」
金子さとり
金子さとり
児童文学作家を目指してます。第二のハリポタ的な名作を書きたい。ジブリアニメ化されるのも夢。トランスジェンダーなので男性脳と女性脳の切り替えが可能です。男性の目線で書く方が好きかも。